新潟の現場から石を拾ってきた。
以前解体現場から運んできた石の中に、沓石が混じっているのを見つけておいた。
いつか持って帰るからと監督さんにいっておいたものです。
明確な意思の元に、のみで切られたこの石。見事です。
柱のほぞが腐らないように、水が抜けるように配慮してある。
当たり前と言えば当たり前なのだが、これを石の山の中から見つけ出したときには、心が躍った。
この石を介して、会ったことの無い、そしてもうこの世にいないであろう、これを刻んだ一人の職人と、お互いの意思が通じ合ったかのような思いがした。
打ち捨ててはいけない大切なものと、私は感じた。
もう暗くなってから、監督の桑原さんに現場に案内してもらって、小杉君にも手伝ってもらって、TTのトランクに石を積み込んだ。
まさか、TTも石を運ばされるとは思わなかったろう。
この石は山本さんちの、蔵の改修工事に使います。
蔵の下屋の柱石が一つ、どうしても見つからないのです。
役に立って石も本望だろうし、石を刻んだ職人の思いも生かされる。
新潟のフラワーホームの解体現場に打ち捨てられていた石が、静岡県富士市の蔵の再生工事に再び生かされようとしている。
不思議だね。
という訳で、山本さん。この石、蔵の工事に使いますよ。

