土地を見に行って、周りを眺めていたらこんもりとした森が目についた。
神社があるのだろうと、車のドアをロックしてカメラをぶら下げて少し歩いてみる事にする。
近づいて見ると森に見えたのは一本の大木だった。
立て看板がある。樹齢千年の樟(くす)の木。
神社のご神木になっている。
うなった。圧倒的な存在感。
近くで見上げると大きくはった枝と葉っぱで空が見えない。
すごいなあ。すごいなあ。といいながら22メートルもあるという根廻りを一回りした。
こうやって土地の廻りをぶらぶら歩いて、何か見つけては喜ぶ。
イメージがわいてくる。
家造りの楽しみってこんな風にスタートするのです。
かつて、土地も見ないでたくさんの家の設計をした事がある。
こんな事をしていてはだめだと思ったからやめた。
その土地に立って、周辺を歩いて行き会った人に挨拶を交わしたりしながら、湧き上がって来るイメージを大切にしたい。
ここに住む人と同じようにこの土地を好きになれたら、きっといい家が設計できるのだと思う。
千年のくすのきと話した。ここはいい所だねと。