京都の河井寛次郎記念館。
民芸運動の中枢にあった陶芸家。
生前のままの住まいと工房、登り窯が公開されている。
中の様子。
いかにも民芸と言う感じで、好みは分かれるところですが、たまらなく好きだと言う人たちも多い。
私も、決して嫌いではない。
しかし、ちょっと間違うとあまり趣味のよくない蕎麦屋やうなぎやのようになってしまうので、以前工務店の皆さんには、民家民芸調の家には手を出さない方がいいよ言ってきました。
民家民芸調のまがいもの、あまり洗練されていないものは、ホントにダサイものになってしまい、木の家から若い人達が遠ざかる一つの原因にもなっているのです。
でも、たまらなく好きだと言う人達は確実に存在していて、私もいく度となくそういうお施主に出くわし、そのニーズを整理し形にし、一つのシリーズにまとめて来ました。
名づけて
「寛次郎(民芸の家)」。
[楽在其中]
これは、河井寛次郎記念館の2階座敷に掛けられている掛け軸です。
中国の古い石碑の中の4文字を拓本して来たものだという。
寛次郎お気に入りの掛け軸だったといいます。
「たのしみそのなかにあり」と読みます。
「雨中有楽」
これは、その掛け軸に触発されて、私が勝手に作った造語です。
「うちゅうにらくあり」と読みます。
間違った漢文かもしれませんが、イメージを勝手に4文字にしたものですので、ご容赦下さい。
この建物と、展示されているやきものに惹かれて、なんど足を運んだ事か。
私、ほんとは、民芸好きなんだよね。
これは、鳥取県米子市、皆生温泉にある「ひさご家」という旅館です。全てが寛次郎の監修というので、私はずいぶん前に一人泊まりにいった事があるのです。
はなれに、民芸調のバーがあり、高いウイスキーをロックでずいぶん飲みました。気分よかったんですね。また行きたいねえ。
という訳で、私のブログ、リニューアルして
「雨中有楽」となりました。
これまで、雨楽な家、雨楽、とブログの表題に掲げて、出来るだけ多くの、雨楽な家という家作りにに関わっている人たちに、読んでもらいたいと思って書いてきました。
私は、雨楽な家の、その思想なり、哲学なり、美意識なり、文化的意義を側面から膨らませていく役割を担っていくつもりでした。
家造りの方法も、その思想も一箇所に停滞するものではなく、常に動いていくものであるということを、私の実践をとおして、読み、かつ見て頂き、その可能性の豊かさを多くの人達に知って欲しいと思っていました。
しかし、私のそういう行為が、ある不毛な争いを生む可能性があることを知り、その表現の方法を変えることにしました。不毛な争いの中に身を置くことを私は望みません。
以後、雨楽な家とは遠く距離を置くこととします。雨楽な家を題材にした文章も、もう書くことは無いでしょう。検索サイトからも次第にヒットしなくなると思いますが、陰ながら雨楽な家の発展を応援しております。
長いあいだ、うらくなぶろぐ をご愛読いただきありがとうございました。