2007年07月30日

まちやとやきもの

信楽1





信楽の手洗い入手しました。
以前兵庫県作用で手洗い鉢を入れた時は、立杭焼きの陶芸家清水さんに焼いてもらって、一品物で確か12〜3万した。
それはそれで作家もの注文制作、出来上がりの素晴らしさから、案外安いんだなと思ったものだが、今回は市販品で値段は5分の一位。

信楽2





でもなかなかいいですよ。
ずらっとある中から選んできたんだけどね。
信楽らしいザクッとしたいい味出ています。

日常雑器、最近縁があるね。

この手洗いは今仕上げ中の2件の家のトイレのカウンターに据えます。

まちやとやきもの。
これはやっぱりセットですね。


信楽は、芳村先生と訪れた事がありました。
琵琶湖に堆積した泥が、良質の陶土になっていく歴史ロマンを聞かされた事、思い出しました。

土はどれもが素晴らしい。悪い土なんかないんだ。と言い切っていた先生。
先生なら、たとえ悪意をぶつけられても、いいからいいから、悪い人はいないよ。
よっぽどの事情があるんだろうから、、、と言うだろうなあ。

土を手で練るように、丹念にものを造っていこうと思う。



  

Posted by urac1 at 08:22Comments(0)TrackBack(0)clip!

2007年07月29日

楽在其中

森山1





宏道流のお家元と森山焼きの窯元を訪ねた。
そこで目に付いた雑器をもとめてきた。
地元の土で作った、素朴質素ながらそこそこ洗練された造形の、いい雰囲気の器です。

森山2森山3





こんなふうに蓋が2重に取れるのです。
面白いね。

なんに使われる器だと思いますか?

ケンザンを中において一輪さしてもいいね。
漬物など盛ってもいい。
大振りの香炉にもなりそう。
蚊取り線香の煙が小さな蓋のところから登ってくるのもいいね。

もちろん飾っておいても様になるかたちです。
使っているとカンニュウが入ってきそう。

森山4





いいね。
日常雑器の中にいい造形を見つけると嬉しくなります。
これぞ民芸。
楽在其中。
寛次郎の世界。

飾り物ではない、日常使われている家が美しく素敵だったらいいね。

  
Posted by urac1 at 07:31Comments(0)TrackBack(0)clip!

2007年07月13日

「雨中有楽」 うちゅうにらくあり

記念館1





京都の河井寛次郎記念館。
民芸運動の中枢にあった陶芸家。
生前のままの住まいと工房、登り窯が公開されている。

記念館2





中の様子。
いかにも民芸と言う感じで、好みは分かれるところですが、たまらなく好きだと言う人たちも多い。

私も、決して嫌いではない。

しかし、ちょっと間違うとあまり趣味のよくない蕎麦屋やうなぎやのようになってしまうので、以前工務店の皆さんには、民家民芸調の家には手を出さない方がいいよ言ってきました。

民家民芸調のまがいもの、あまり洗練されていないものは、ホントにダサイものになってしまい、木の家から若い人達が遠ざかる一つの原因にもなっているのです。

でも、たまらなく好きだと言う人達は確実に存在していて、私もいく度となくそういうお施主に出くわし、そのニーズを整理し形にし、一つのシリーズにまとめて来ました。
名づけて「寛次郎(民芸の家)」

その中に楽あり





[楽在其中]
これは、河井寛次郎記念館の2階座敷に掛けられている掛け軸です。
中国の古い石碑の中の4文字を拓本して来たものだという。
寛次郎お気に入りの掛け軸だったといいます。
「たのしみそのなかにあり」と読みます。

「雨中有楽」
これは、その掛け軸に触発されて、私が勝手に作った造語です。
「うちゅうにらくあり」と読みます。
間違った漢文かもしれませんが、イメージを勝手に4文字にしたものですので、ご容赦下さい。

この建物と、展示されているやきものに惹かれて、なんど足を運んだ事か。
私、ほんとは、民芸好きなんだよね。

ひさごや





これは、鳥取県米子市、皆生温泉にある「ひさご家」という旅館です。全てが寛次郎の監修というので、私はずいぶん前に一人泊まりにいった事があるのです。

はなれに、民芸調のバーがあり、高いウイスキーをロックでずいぶん飲みました。気分よかったんですね。また行きたいねえ。



という訳で、私のブログ、リニューアルして「雨中有楽」となりました。

これまで、雨楽な家、雨楽、とブログの表題に掲げて、出来るだけ多くの、雨楽な家という家作りにに関わっている人たちに、読んでもらいたいと思って書いてきました。

私は、雨楽な家の、その思想なり、哲学なり、美意識なり、文化的意義を側面から膨らませていく役割を担っていくつもりでした。

家造りの方法も、その思想も一箇所に停滞するものではなく、常に動いていくものであるということを、私の実践をとおして、読み、かつ見て頂き、その可能性の豊かさを多くの人達に知って欲しいと思っていました。

しかし、私のそういう行為が、ある不毛な争いを生む可能性があることを知り、その表現の方法を変えることにしました。不毛な争いの中に身を置くことを私は望みません。

以後、雨楽な家とは遠く距離を置くこととします。雨楽な家を題材にした文章も、もう書くことは無いでしょう。検索サイトからも次第にヒットしなくなると思いますが、陰ながら雨楽な家の発展を応援しております。

長いあいだ、うらくなぶろぐ をご愛読いただきありがとうございました。


  
Posted by urac1 at 10:56Comments(2)TrackBack(0)clip!