アメリカ発信の経済不況はあっという間に世界を飲み込んだ。
自動車業界はいち早く、最も敏感に俊敏に人員を削減し生産調整をし、来年再来年に続くであろう出口の見えない長いトンネルに備えた。
自動車産業はこのままの業態では長期的地球的視野の中では生き残れない。
なぜなら、いくら環境に配慮しハイブリット、燃料電池に転換しようとも、大量に生産し大量に消費する事を前提とした自動車産業の存在は、どこから眺めてみてもエコではないし、地球にやさしいなんて言葉とはまったく遠い存在である事は確かだ。
このままでは先は無いんです。
僕らの業界はどうだ。
昨日まで、日本の杉で、国産材で家を造ろうとかっこよくいっていた連中がころっとひっくり返っている。
国産材は高いから輸入材に変えたって。
大不況は、これは一過性のものではない。
地球が苦しんでいる。
大量生産大量消費の人間どもの生態にはついて行けなくなった地球が呻いている。
その声が聞こえないか。
ローンは組めないよ。怖くて。
自分の明日の仕事がどうなってしまうかわからないよ。
大企業に勤めていたってそれは同じ。
いや、大企業ほど企業の生き残りをかけた時には非情だよ。
若い人たちには、家が建てにくい時代になりました。
あんまり金掛けられないよということ。
ということで、すぐに影響が出てくる。
国産材をやめて、輸入材の安い材料にしましたということになる。
国産材は高い。ホントかね。
ちょっと売れ始めると、産地化だとか、森林認証だとか、結構な事始めたけれど、その前にもっとやることがあったんですよ。
輸入材ではなく、日本の木で家は造るんだという事を当たり前の環境を作ること。
まずこれをやるべき。
このことは以前、ここでも書いたことがあります。
だからこういう時代になったら、米松と比較したらそっちが安いから杉はやめましたと言われるんじゃあなく、
輸入材と比較されたら絶対に負けちゃあ駄目なんです。
いい材にコダワル事はよくわかりますが、
良材は長持ち、100年も200年も持ちます。それは結構な事。
でもそこまでこだわる家が今何軒建っていますか。
ほどほどの材料だって、日本の材はほっておいたって50年や60年持つんです。
ほどほどの材料はホント山ほどある。
誤解しないでもらいたい。どうでもいいってことじゃあないんだよ。
普通の家は、そんなに材料にこだわらなくたって、立派な国産材の家として成立します。
みんな喜んで住んでくれます。立派な家が建ちます。
私が断言します。
だから、若い人たちが、お金にローンに苦しんでも家を建てようとするときに、何とか国産材でやりたいと言う声を聞いたら、
作る人間は、材料を供給する人間達は、何とかして応えてやるべき。
出来るんだから。材料は山ほどあるんだから。
絶対に、じゃあ米松で、修正のホワイトで、なんて選択はしてはいけない。
予算が無いんだからしょうがないよなんて言っては駄目なんですよ。
出来るんだから。
日本の木は山のようにある。
良材から、何とか建築材料になるものから、様々、値段も様々。
どんな要求にも応えられるはず。応えるべき。
絶対に外材で家を建てさせるな。と言うような気概を持って、もう始まっている、国産材の重大危機、来年再来年もっと続くこの危機を積極的に乗り切るんですよ。
価格で負けちゃあいけないよ、地球の向こうから大量に燃料使って運ばれてくる材料に。
柔軟に、臨機応変に、今までの概念を捨てて、日本の木を使おうよ。
そういう時代が来ました。
でも乾燥させて使ってね。基本だから。