小型四連駆動車くろがね四起とウイリス。
くろがねの方が数年早く作られていたそうです。
比べてみると設計の思想の違いが見て取れて面白い。
くろがねは将校などの戦場での移動用に造られたようだ。
運転手付きの指揮官の移動用車両というところか。
ウイリスはまさしく兵器としての色合いが濃い。
木箱に詰めて積み重ねて船に積まれ、パラシュートで戦場に落とされた。
すべて直線の造形、手間ひまかけてつくられていない。
量産の効率と戦場でのメンテナンス最優先。
比べるとくろがねの板金はすべてアール。手打ちで造形している。
悪路走破性能にはさほど優劣は無さそうだ。
くろがねもウイリスもそうとうなオフロード性能を有するようだ。
足回りの写真をお見せできないが、くろがねの方がはるかに凝っている。
乗り心地と旋回性能などはくろがねが格段に上だろう。
ウイリスは単純。
私も42年型の三菱J3Rというジープを長年保有していたこともあり、ジープ愛好家の一人でした。
ジープの魅力は兵器としての乗り物のシンプルさとその悪路走破性能の高さにありました。
両車ともオフロード走破性能の高さは、今どきのSUVではとても太刀打ちできないレベルのものだろう。
一台一台手作りのようなくろがねと、大量工場生産が可能なウイリスジープ。
戦争に負けた訳がこんなところにも見て取れるのでした。