さっそく瓦が乗りました。
三州いぶし瓦。
瓦屋さんと話をしていてある危機感を感じました。瓦の未来のついて。
静岡の震度5の地震の後、瓦屋さんたちは目の回るような忙しさだった。
でもそれが過ぎたらパタッと仕事がないという。廃業も考えたとか。
ニュースでブルーシートに覆われた屋根の街並みの映像をご覧になった人も多いと思う。ある程度の地震が来ると必ずお目にかかる光景。
何かというと、瓦屋根の棟が崩れているのです。
それを応急措置でシートで覆い雨漏りを防いでいるという光景です。
これを防ぐことが出きたら瓦屋根のイメージはガラッと変わるはず。
震度5くらいの地震では何の被害も出ない瓦屋根。
これはね、棟の施工の方法でほとんど見事に防ぐことが出来るんです。
阪神大震災の後、棟の補強については一般化したはずだと私は思っていたのですが、どうもそうでもないらしい。
瓦屋根の棟部分はのし瓦とほとんど粘土で積んで固めてあるだけなのです。
これでは大きな横揺れに耐えられるはずはないのです。
これは手抜きとかではなく、伝統的にそういう工法で棟瓦は積まれてきたのです。
が、大きな揺れが来たら棟は崩れてあたり前ではもういけません。
崩れない棟を造る事を考えて施工することが必要です。
どうすればいいか。
棟の中に芯木を入れて、それをよりどころにして棟瓦を積むこと。これだけで状況はガラッと変わるでしょう。
それと、むやみと棟瓦を高く積まない事。これも大切です。
高ければ高いほど、見えは張れるかもしれませんが、震災にあう確率も棟と一緒に高くなるんです。
お寺などの建物の棟瓦は高く立派ですが、あの棟の中にはしっかりとした芯になる部材が屋根と一体になって入っているのです。
地震には瓦屋根は弱いんだと、一方的にきめつけられては、この素晴らしい伝統的な屋根葺材の未来が心配です。